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TPP参加が医療保険に与える影響とは?


E146_cyoushinki500■TPPと保険の関係

みなさんは日本のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加が医療保険に与える影響についてご存知でしょうか?

最近では毎日のようにTPP交渉に関するニュースを目にしていると思いますが、その多くは関税撤廃による農業分野への影響についてで、それ以外の分野への影響についてはほとんど報道されていないのが現状だと思います。

しかし、TPP参加による影響は農業分野に留まらず多くの分野に及んでいます。なかでも医療保険への影響は私たちの暮らしに直接関わってくる問題でもあるので、注目度は高くないもののしっかりとした知識を身に着けておく必要があるでしょう。

そこで本記事では、TPP参加が医療保険に与える影響について紹介し、実際にみなさんにどのような影響が生じ得るのか検討したいと思います。

■混合診療解禁の問題点

混合診療という言葉を聞いたことはありますか?簡単に言えば公的医療保険の対象となる保険診療と対象外である保険外診療(自由診療)の併用のことで、日本では原則として禁止されています。

しかし、今この混合診療の全面解禁についての議論が盛んになっていて、TPPの参加がその大きな後押しになろうとしています。では、混合診療が解禁されることでどのような変化が生まれるのでしょうか?

混合診療が解禁されることによる問題点は大きく分けて2つあります。

1つ目は保険診療によって一定の自己負担額の下で十分な医療が提供されているにも関わらず、患者に対して保険外の負担を求めることが一般化してしまい、患者の負担が不当に拡大するおそれです。

2つ目は安全性、有効性等が確認されていない医療が保険診療と併せて実施されてしまうことで、科学的根拠のない特殊な医療の実施を助長するおそれです。

これらは「いわゆる『混合診療』問題に対する厚生労働省の基本的考え方」として厚生労働省が発表している見解で、政府が混合診療解禁にこれまで慎重な姿勢をとっていたことの根拠となっています。

日本医師会も同様の考えから混合診療解禁に反対しています。日本医師会ホームページには以下のような記述があります。

 

“健康保険の範囲内の医療では満足できず、さらにお金を払って、もっと違う医療を受けたいというひとは確かにいるかもしれません。しかし、「より良い医療を受けたい」という願いは、「同じ思いを持つほかのひとにも、同様により良い医療が提供されるべきだ」という考えを持つべきです(日本医師会より引用)。”

 

つまり、混合診療の解禁によって自由診療が増えて、より良い医療を受けられるようになるかもしれないけれど、それによって医療費負担が拡大することで貧しい人が不利になるのは医療の公平性や平等性に反するので認められないということです。

この混合診療による自己負担の拡大について表したのが図1です。このように公的医療保険の対象外となる自由診療が更なる自己負担となって患者に圧し掛かることが分かると思います。

混合診療

図1:混合診療による医療費負担の拡大
出典:日本医師会

■国民皆保険が崩壊する可能性

日本の医療制度の大きな特徴は、公的医療保険に全国民が強制的に加入するように定められていることで、これは一般に国民皆保険と呼ばれています。しかし、混合診療が解禁されて自由診療が盛んになっていくと、相対的に公的医療保険の必要性が薄れていき、将来的に国民皆保険が崩壊すると言われています。

この過程についてもう少し詳しくみてみましょう。まず、混合診療が解禁されると公的医療保険の適用外で高額ではあるものの、新薬などを用いた先進的な医療が受けられる機会が増えていきます。

現在の日本では保険財政が政府支出を圧迫しているので、このような高額な医療を新たに公的医療保険の対象にしていくのは難しいと考えられます。すると次第に公的医療保険で賄える範囲が縮小し、公的医療保険が機能しなくなっていきます。

これと並行して保険適用外の高額な医療費をカバーした民間の医療保険がシェアを伸ばしていくと考えられます。特に米国では民間の医療保険が発達しているので、TPP参加によって市場の自由化が進むと多くの保険会社が日本に進出してくると考えられます。

これによって将来的には米国と同様に日本でも民間の医療保険に加入することが一般的になると考えられ、公的医療保険制度が形骸化していき国民皆保険が崩壊してしまうというわけです。

実際にこのようなシナリオを描くかどうかは分かりませんが、TPP参加によって日本の制度が米国化していく可能性はかなり高いと考えられます。

それはもともとTPP交渉が始まるかなり前から米国が日本の医療分野に改革を求める要求をしてきたという経緯があるからです。米国は日本の医療に市場原理を導入することで、米国企業が進出して大きな利益を得られると考えています。TPP参加は国民皆保険崩壊の引き金になりかねないのです。

■国民への影響

では、ここまで述べてきたような医療保険制度の変化が実際に起こった場合、私たち国民にはどのような影響があるのでしょうか?

表1はOECD加盟国の医療費の状況(2011年)を一部抜粋したものです。表1にはOECD加盟国34ヵ国中、日本のほか総医療費の対GOP比1位から3位のアメリカ、オランダ、フランス、および近隣の韓国と最下位のエストニアを掲載しています。これを見ると日本の総医療費は対GDP比が9.6%で12位、一人当たり医療費は18位でほぼOECD加盟国の平均であることが分かると思います。

そして注目して頂きたいのはアメリカの数値です。総医療費の対GDP比、一人当たり医療費ともに加盟国中トップとなっています。しかも一人当たり医療費に関しては日本の約2.6倍です。

表1:OECD加盟国の医療費の状況(2011年)
※日本は2010年のデータhoken1010出典:厚生労働省「OECD加盟国の医療費の状況(2011年)」より著者作成

表1より、国民皆保険の崩壊、そして医療制度の米国化によって医療費が増加し、国民の医療費負担も増加していく可能性があることが分かると思います。米国ほどの数値まですぐに増加することはないでしょうが、将来的に増加していく可能性は高いでしょう。

そしてこれは一人当たりの負担が単純に増大するだけでなく、人によって受けられる医療の質に格差が生まれていくことを示しています。国民皆保険によって公平性と平等性が担保されていた日本の医療から180度転換してしまうことになるのです。

TPP参加は日本の医療を取り巻く状況を一変させる可能性がありながら、国民の多くはその概要についてよく知らないと思います。全国民が払っている公的医療保険が成り立たなくなり、結果として医療費負担が増加していくとすれば、私たちが被る損失は小さくありません。

もちろん医療そのものの発展のためにはメリットもあると思いますがデメリットが大きすぎると思います。

私たちはこれらを冷静に見極めるために正しい情報を手に入れ、置かれている状況を正しく認識する必要があると思います。本記事がそのための有益な情報となれば幸いです。



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